膜構造を用いた生理学的精子選択術とは特殊な膜構造をもつ装置を使用して、精子を選別する技術です。
体外受精に用いる精子は密度勾配遠心法とSwim-up法を併用して精子の選別・洗浄濃縮を行うのが一般的ですが、この遠心分離の処理によって精子にDNAの断片化や酸化ストレスといった物理的な損傷を与えることが報告されています。
この技術ではZyMōtスパームセパレーターという8μmの特殊なフィルターを通り抜けた運動性良好な精子を回収します。不純物や不動精子、頭部の大きな奇形精子は通り抜けることが出来ないため、効率的に前進運動性の高い精子の回収が可能になります。また、遠心処理を行わないため、精子に遠心分離によるストレスがかかることなく良好精子を回収できるメリットもあります。
この技術により良質な受精卵が得られ、着床・妊娠率が向上するという報告があります。

先進医療として認められているので、自由診療だけでなく保険診療と併用して行うことができます（先進医療の規定によりいくつか適応の基準が定められているため、ご希望に添えない場合があります）。